花粉症について

(2008/2/10更新)

 近年、春先になると、花粉症によるくしゃみ、目のかゆみ等の症状で苦しんでいる人が増えています。
今年は、例年よりもスギ花粉の飛散は少ないと予測されてますが、昨年の影響で花粉症に悩む方が多いとも予測されています。
当院にも、そういった患者さんが、早い方で1月末より、3月になりますとさらに多数の方がご来院になります。
花粉症はアレルギー性疾患なので、早期に完全に治すことは難しく、日常生活に支障をきたします。
しかし、花粉を回避しながら薬剤を上手に用いて治療を行えば、花粉症もコントロールできるようになりつつあります。

お問い合わせも多数ございますので、本ページでは、花粉症についてお知らせいたします。

スギ花粉の飛散数は、前年夏の日射量や秋のスギ花芽の着果状況などにより予測します。
  20年の春の花粉飛散量は、平成19年7月に日照時間が短かったことから、例年と比べ少ないかやや少ない見込みです。ただし、飛散量の少なかった
平成19年と比べると多くなるでしょう。(環境省2008年2月1日発表)
 


1.花粉症とは
2.花粉症の原因
3.花粉症のお薬
4.生活上の注意6ヶ条

花粉症とは

 意外なことに、「スギ花粉症」は、最近(1960年代)になってアレルギー疾患と明らかにされた病気です。外国では古くから春先にみられる目のかゆみ、鼻、のどの痛みが「枯草熱(こそうねつ)」として知られていましたが、これは現在のブタクサアレルギーであることがわかっています。

花粉症の4大症状

くしゃみ
鼻水
鼻づまり
目のかゆみ

主に、目と鼻に症状がでます。
鼻の症状の特徴は、くしゃみ、鼻水が発作的に現れ、続いて鼻づまりが起こることです。鼻かぜの症状に似ていますが、下表のように違いがあります。
目の症状は、かゆみ、充血、涙目です。
また、花粉の大量飛散時には、のどにかゆみや痛みがでることもあります。
この他にも、気管支、胃腸にもさまざまな症状が現われ、全身の倦怠感を伴う場合もあります。

花粉症と風邪の違い

花粉症 かぜ
鼻のかわいた感じ 目と鼻のかゆみ
水性の鼻汁 粘性、膿性(色のついた)の鼻汁
(ひきはじめは水性)
のどのかゆみ、または痛み 唾をのみ込むときの、のどの痛み
発熱なし しばしば発熱あり
例年きまった季節に起こり、季節中つづく 季節不定、1〜2週間で治る

目のかゆみ

目のアレルギーの代表は結膜花粉症で、急性アレルギー性結膜炎とも呼ばれています。
花粉によってスギ結膜花粉症、イネ科・キク科結膜花粉症などに分類されています。
かゆいので擦ったり、かいたりするとさらに悪化し、結膜や角膜を傷つけ、目がごろごろしたり、かすんだり、まぶしく感じたり、痛みが出たりします。
まぶたは眼球を保護するために、いつもぬれているので花粉がくっつきやすく、アレルギーの多発地帯となっています。


花粉症の原因

1.遺伝的な体質

花粉症を起こしやすい遺伝体質が根本にあります。他のアレルギー疾患をもっていたり、家族にアレルギー体質をもっている人がいる場合、起こりやすいといえます。

<免疫とアレルギー>
ヒトは外部に異物(たとえば細菌やウイルス)や、異常な細胞(ガンの原因になることもある)が発生したときに体の中に抗体を作り、異物や異常細胞を排除する免疫という機能をもっています。免疫は本来、生体にとってプラスの働きをするはずなのに、時と場合によってはマイナスの働きをして病気を起こしヒトを苦しめます。これがアレルギーです。
抗体のひとつであるIgE抗体(アイジーイーこうたい)は、普通のヒトには全く害のない花粉などに対して過敏に反応し、アレルギーを起こす悪役として有名になりました。IgE抗体を多く作り出す体質のヒトがアトピー体質、あるいはアレルギー体質と呼ばれます。
<ヒスタミンとアレルギー症状>
まず花粉(アレルゲン)が目の結膜、鼻の粘膜につくと、IgE抗体が作り出されます。侵入したアレルゲンと作り出されたIgE抗体とが反応してヒスタミンなどの化学伝達物質を吐き出しアレルギー症状を引き起こします。さらに血管に作用して血管壁をゆるめ、血液中の水分や白血球を血管の外へ滲み出させてしまいます。滲み出した白血球によって粘膜を刺激します。アレルギー体質のヒトは普通のヒトに比べ、ヒスタミンに対してはるかに敏感だといわれています。

2.生活環境

大気汚染、ストレス、疲労、不規則な生活なども、症状を起こしやすくする原因です。

3.原因となる植物

原因植物は大きく樹木と草花に分けられます。
日本で最も多いのはスギ花粉症です。現在日本の人口の10%がスギ花粉症にかかっているといわれています。
花粉は日本列島の南方で2月上旬から飛散しはじめ、気温の上昇にともなって次第に北上して4月の下旬まで続きます。

これまでに得られた過去20年余りのスギ・ヒノキ科花粉の結果から、前年7月の平均気温や日照時間が平年より高かったり、多かったりするほど、翌年の花粉数が多くなることがわかっています(地域によっては前年の6月や8月の気象因子が予測に適している場合もあります)。2006年の7月の平均気温は、西日本の一部を除き全国的に平年並みでしたが、梅雨明けが遅かったこともあり、日照時間は平年よりかなり少なく、また昨年よりもごく一部を除き少なくなっていました。このため、過去10年の平均値(平年)と比較すると、2007年の飛散数は東日本で30〜50%、西日本は50〜100%、また2006年と比較しても東日本は総じて同程度、西日本は50%前後、一部同程度と予測されます。


その他、花粉症の原因となる植物は約40種類といわれていますが、風によって花粉が運ばれるという共通点があります。
日本は南北に細長く、土地によって花粉症の原因は異なり、花粉の飛散時期が異なります。
また同じ植物でも北と南の地方では飛散時期が異なります。
樹木ではヒノキ、ハンノキ、ブナ、マツ、イチョウ、草花ではカモガヤ、ヨモギ、ブタクサなどが花粉症の原因の代表選手です。

【主な花粉症原因植物の開花期(関東地域)】

植物名 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ハンノキ属
スギ
シラカバ
イネ科
ブタクサ科
ヨモギ属
カナムグラ

                  《出典》「アレルギー性鼻炎ガイド」(平成14年10月15日発行)より
                        作成:厚生労働省21世紀型医療開拓推進事業〔EMB分野〕
                            アレルギー性鼻炎ガイドライン班
                           

花粉症のお薬

お薬には『予防的に使えるお薬』と、『出てしまった症状を抑えるお薬』が゜あります。
花粉症の人は、花粉が飛散する時期に入る2週間くらい前から『予防的に使えるお薬』の内服を開始すると、症状を軽くすることができます。
花粉症の症状が出たら、悪化しないように『出てしまった症状を抑えるお薬』を用い、対症療法をきちんと行います。


花粉症の内服薬の多くに抗ヒスタミン作用があります。
速効的な効果がありますが、副作用として「眠気」がありますので、服薬中には自動車の運転などの危険な機械の操作は控えねばなりません。
花粉症のお薬には、錠剤やカプセルなどの内服の他に、鼻腔内に直接噴霧するタイプのステロイド薬があります。
最近では

、副作用も随分と改善されたお薬もでていますが、抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤副腎皮質ステロイド剤は、医師の指示のもとに用いることをお勧めいたします。

・抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬
ヒスタミンは血管や神経に作用してアレルギー症状を引き起こします。
抗アレルギー剤は、アレルギー反応のいろいろなプロセスに作用してヒスタミンが出てくるのを抑えます。また、すでに出てしまったヒスタミンに対しても、ヒスタミンが血管や神経に刺激を与えるのを妨害してアレルギー症状が出るのを抑えます。
・副腎皮質ステロイド剤
薬の効果という点だけ考えると、ステロイドは非常に強力な症状の改善効果を示します。
花粉症だけでなくアトピー性皮膚炎、気管支喘息、さらにリウマチなどにも使われている薬です。ところが効果の反面、副作用も強いので長期間使っていると副作用によってさまざまな異常が現われ、花粉症より深刻な病気になってしまう場合もあります。
医師の指示の必要な代表的なお薬といえます。

いずれにせよ、アレルギーはいわば体質の病気なので、根気よく治す必要があります。

花粉症の生活上の注意点6ヶ条

1.外出はなるべく避けましょう
2.マスク、眼鏡、帽子、マフラーを着用して花粉を遠ざけましょう
3.花粉を家の中に入れないようにしましょう
4.ファーストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、バランスのとれた食生活に改善しましょう
5.たばこやお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目にしましょう
6.皮膚を鍛え、ストレスをなくすよう心がけましょう

最近では、進化したマスクも商品化されています。
治療と併用しつつ、こういった商品を上手にお使いになることでも、発症してしまった花粉症軽減の期待ができることでしょう。

 環境省花粉観測システム(愛称『はなこさん』)
    各地の花粉飛散状況がご覧になれます。

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